前へ目次 次へ





涙にて ネズミ描し 雪舟は 



 涙にて ネズミ描し 雪舟は
<桃太郎>「雪舟の偉えとこらーどこでえ?」

<爺さま>「世界の画聖とまでゆわれとる雪舟は、現在の総社市赤浜で生まれてなあ、せえから涙でネズミゅー描ぇーたことで、でぇれぇ有名な宝福寺、その次にゃ金閣寺と銀閣寺を管轄する京都の相国寺で禅僧として修行 しょうるええだに、その相国寺の天章周文に本格的な水墨画を学ぶチャンスに恵まれたんじゃ。せえからのう好奇心のつええ雪舟は水墨画の源流 じゃった中国に渡ったんじゃ。禅宗と精神性を重んじる中国渡来の禅画が盛んじゃった室町時代に、本場を訪れることにより文人画家などの余技なんかじゃあとうてえ描けないスケールのごちい風景と、その写生の大切さを目の当たりで認識してのう、必死で学んだもんじゃから、そこでも画才を一層発揮してむこうの人ー驚かしたんじゃ。帰国後、初めての本格的専門画家として、源流の中国の風景も知らずに描く日本の絵画とそのせけえ(世界)の改革を実行したことが偉れえところじゃ。」